妊娠・育休中のトラブルバスター① 職場でのマタハラ・不当な解雇から身を守る方法

皆さま、こんにちは。株式会社TIGER専務の伊東香織です。

私自身、不妊治療を経て4人の子を授かりましたが、先の見えない妊活、目まぐるしい妊娠期間、そして休む暇のない育児と、心と身体が揺れ動く毎日を経験してきました。

その経験から、同じように頑張るママたちに心から寄り添い、支えになりたいと願っています。

妊娠や出産を機に、職場で心ない言葉をかけられる「マタハラ」を受けたり、育休からの復帰で思わぬトラブルに見舞われたり…。

そんな悲しい思いは絶対にしたくないですよね。

今回は、皆さまが安心して健やかなマタニティライフを送れるよう、妊娠中や育休中の仕事に関するトラブルからご自身を守るための法律知識と対処法を、Q&A形式で分かりやすくお伝えします。

Q1. 妊娠中の勤務時間短縮をお願いしたら、正社員からパートへの変更を打診された!

妊娠中の体調の変化は、本当に人それぞれ。思うように身体が動かないもどかしさを感じるのは、当然のことです。お腹の赤ちゃんとご自身の身体を第一に考えるのは、働く女性の権利ですよね。

通勤ラッシュを避けたり、勤務時間を短縮したりといった配慮は、会社の「特別な厚意」ではありません。これは、国が定めた「母性健康管理措置」という、会社に義務付けられているルールなのです。

医師から必要な指導を受けた場合は、「母性健康管理指導事項連絡カード」などを会社に提出することで、正式に必要な配慮を求めることができます。

そして、この「母性健康管理措置」を求めたことを理由に、解雇や降格、減給、不本意な雇用形態の変更といった「不利益な取扱い」ができない仕組みになっているのです。

もし会社からパートへの変更を打診されたら、まずは落ち着いて、「妊娠中の体調配慮を理由とした不利益な取り扱いは、法律で禁止されていると認識しています」と、ご自身の意思を伝えてみてください。

それでも状況が変わらない場合は、決して一人で抱え込まないでください。「都道府県労働局」が、あなたの強い味方になってくれますから。

相談したいことがあるときは、最寄りの「都道府県労働局」に連絡してみてくださいね。

Q2. 育休明けに「復帰できない」と会社から突然言われた!不当な解雇への対処法は?

育児休業を終え、さあこれから仕事と両立していくぞ、という時に「復帰できない」と告げられたら…。目の前が真っ暗になるようなお気持ちだと思います。

ですが、どうか希望を捨てないでください。育児休業を取得したことを理由に、会社が一方的に解雇(雇止め)を通告することは、原則としてできないことになっています。これは「育休後(明け)の解雇」に関する非常に重要なルールです。

たとえ会社が「経営不振」を理由に挙げたとしても、育児休業中の社員だけを対象にするようなやり方は、不利益な取扱いと見なされ、不当解雇となる可能性が非常に高いです。

突然の通告に動揺するのは当然ですが、冷静に以下のステップで対応していきましょう。

【ステップ1】
・「解雇の具体的な理由を記載した文書をください」と会社に要求します。
・感情的にならず、事実確認に徹する姿勢が重要です。
・この文書は、後々あなたを守るための重要な証拠になります。

【ステップ2】
・「育児休業を理由とした解雇は法律上問題になるのではないでしょうか」と伝え、解雇の撤回をはっきりと求めましょう。

【ステップ3】
・会社との話し合いが難しいと感じたら、ためらわずに「都道府県労働局」に相談してください。
・「都道府県労働局」はさまざまな育休トラブルを解決するための専門機関です。
・専門家が間に入ることで、一人で交渉するよりも、ずっと心強く、スムーズに話を進めることができます。

新しい生活が始まったばかりです。未来への不安で心を曇らせることのないよう、ご自身の権利をしっかりと守っていきましょう。

Q3. 育休から復帰したら基本給が減額されていた!これって違法?

大原則として、「育児休業を取得したから」という、ただそれだけの理由で一方的にお給料を減らすことは、「不利益な取扱い」にあたる可能性が高いです。育休取得がペナルティになるようなことは、絶対にあってはなりません。

ただし、例外もあります。例えば、復帰後にご自身の希望で「時短勤務」を選択し、それに伴って休業前よりも業務の範囲や責任の度合いが軽くなった場合などです。

このような、働き方の変化に見合った、客観的で合理的な理由がある場合に限り、給与が見直されること自体はもちろんあり得ます。

大切なのは、その減額が「育休取得への罰」ではないか、そして「働き方の変化に対して公正なものか」という視点です。

もし「おかしいな」と感じたら、以下の手順で確認しましょう。

【ステップ1】
会社の人事担当者などに、減額の理由について具体的な説明を求める
(例:「どのような理由で、どのように計算されたのですか?」)。

【ステップ2】
説明に納得がいかない場合や、明らかに育休が原因で減給されたと感じられる場合は、やはり「都道府県労働局」に相談することをお勧めします。

あなたがこれまで積み上げてきた努力とキャリアが、正当に評価される環境で働き続けられるよう、私も心から応援しています。

Q4. つわりがひどく仕事を休みがち…。上司や同僚からの嫌味がつらい

つわりは経験した者にしか分からない、本当に厳しいもの。本当にお辛いですね…。

その辛さを理解してもらえず、「自己管理ができていない」「迷惑だ」といった心ない言葉をかけられるなんて、どれほど傷つくことでしょう。

どうか、「私が悪いんだ」なんて、ご自身を責めないでください。それは「マタニティハラスメント(マタハラ)」と呼ばれる、決して許されない行為です。

妊娠中の体調不良(つわり、切迫早産など)を理由に、職場で嫌がらせを受けたり、精神的に追い詰められたりすることは、決して我慢すべきことではありません。

会社には、労働者が安心して働ける環境を整える「職場環境配慮義務」があり、マタハラを防止する措置を講じることが法律で義務付けられています。

もし今、つわりが原因で仕事に支障が出て、嫌味を言われるなど辛い状況にあるのなら、一人で抱え込まないようにしてくださいね。例えば以下のような対策ができます。

・「いつ、どこで、誰に、何を言われたか」を、手帳やスマホのメモに具体的に記録しておきましょう。
・社内にハラスメント相談窓口や信頼できる上司がいれば、相談してみましょう。
・社内での解決が難しい場合は、マタハラの相談窓口である「都道府県労働局」に相談してみましょう。親身に話を聞いてくれます。

何よりも大切なのは、あなたご自身の心と身体です。お腹の赤ちゃんのためにも、ストレスを溜め込まず、頼れるところに助けを求めてくださいね。

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