
子育てをしていると、つい「あれをしなさい」「これはダメ」と、口を出してしまうことはありませんか?
「宿題はやったの?」
「YouTubeばっかり見るのやめなさい」
「そうじゃなくて、こうやるの」
そんな親心が、ときにはママにも、子どもにも大きなプレッシャーになってしまうこともあります。
今回の対談では、「教えない教育」という独自のメソッドで、自立した「スーパー国際人」を育成されている、あべゆかこさんをお迎えしました。
「教えるのをやめたら、子どもが勝手に伸びていく」。
そんな魔法のようなお話に、4人の母である私、株式会社TIGERの伊東香織も目からウロコの連続でした。
正解のない子育てに迷いを感じている方、日々の「教えなきゃ」というプレッシャーを少しでも和らげたいと願う方へ、お子様と自分自身を信じ、見守ることで得られる安心感をお届けします。
この対談が、子どもへの接し方に悩むあなたの心を、ふっと軽くするきっかけになりますように。

「教えない」ってどういうこと? 正解を探してしまう子どもたち
親や先生が正解や「やり方」に口を出さない
香織:私たちが提供する「天使を愛する全てのママへ」というサイトでは、妊活中の方や妊娠中、そして子育て中のママたちに、「安心」をお届けしたいという想いで活動しています。今回は、いつまでも輝ける人生を送るためのヒントを、あべゆかこさんの「教えない教育」という視点から伺えればと思っています。
あべ:ありがとうございます。周囲からは、「ゆっか」と呼ばれているので、気軽に呼んでくださいね。
香織:ゆっかさんは「教えない教育」という教育方針を提唱されていますよね。これはどんなものか教えていただけますか?
あべ:親や先生が正解や「やり方」を先回りして教えるのをやめて、子どもが自ら考え、答えを見つけ出す力を引き出すという考え方です。具体的には、「すぐに答えを与えない」「苦手なことを無理に矯正しない」「管理せずに観察する」というのがポイントですね。
1.すぐに答えを与えない
すぐに正解を教えるのではなく、子どもが自分で考えたり調べたりするプロセスを待つ。「どう思う?」と問いかけることで、考える力を育てる。
2.苦手なことを無理に矯正しない
できないことを克服させるより、「得意なこと」「好きなこと」を徹底的に伸ばすことで自信をつけさせ、結果的に全体の能力アップにつなげる。
3.管理せずに観察する
「~~しなさい」と指示・管理するのではなく、子どもが何に興味を持っているかを観察し、その興味を広げる環境やきっかけを用意する。
あべ:つまり、知識を詰め込む(インプット)のではなく、子どもの中にある好奇心や能力を引き出す(アウトプット)ことに主眼を置いているんです。
香織:わわわ…耳が痛いです。私自身、現在4人の子育て真っ最中でして、上は小学5年生から下は1歳までいるんですが、どうしてもあれやこれやと口を出してしまっています。
あべ:香織さんのお気持ちはよくわかりますよ(笑) そうなるのは親心ですものね。

教えれば教えるほど、子どもは正解をもらいたがる
香織:ゆっかさんは、どういうことがきっかけとなって「教えない教育」に行き着いたのでしょうか?
あべ:元々、英語教室を開いていまして、そこで子どもたちに接するうちに気がついたことがあったんです。それは、先生が教えれば教えるほど、生徒さんは誰かが正解をくれるまで待ってしまうことでした。
香織:正解を待つといいますと?
あべ:例えば、親御さんが近くにいると、チラチラと親御さんの顔色を伺って、「これで合ってる?」と確認するような仕草をしたり。自分で考えるよりも、自分の外側に正解を探してしまう行為ですよね。それを見たとき、「教えすぎてしまうことは、この子たちの成長を妨げてしまうかもしれない」と気づいたんです。
香織:学校教育の現場しかり、基本的には「教える」スタイルが一般的ですよね。黒板に書かれたことをノートに写して、当てられたら答える。私は学生時代、先生に当てられるのが怖くて、「どうか当たりませんように」って下を向いていました(笑)
あべ:私もそうでした(笑) 第二言語習得の研究分野でわかってきたことなんですが、実は、「人は緊張していると学べない」という理論があるんです。

緊張は学びの敵? 「間違えてはいけない」という呪縛
あべ:恐怖や不安を感じている状態だと、脳のフィルターが閉じてしまって、情報が入ってこなくなるそうなんです。だから、私たちが昔感じていた「間違えたら叱られる」「間違うことは恥ずかしい」という緊張感の中では、実は深い学びは起きていなかったのかもしれません。
香織:なるほど…。大人になっても「間違えてはいけない」という思いが強すぎて、それが子育てや生き方探しのプレッシャーになっている方は多いと思います。
あべ:日本人は特に真面目ですからね。でも、これからの時代、AIが台頭してくる中で、「正解を覚える」だけの力はAIに任せればいいと思うんですよ。人間には、正解のない問いに対して自分で考え、創造していく力が必要なんじゃないかなあ、と。

アメリカの高校生はテストで計算機を使う⁉ 世界基準の「子どもの才能の伸ばし方」
香織:ゆっかさんは現在、「スーパー国際人」を育てていくということをミッションとして活動をされていますが、国際的な視野でみると、海外の教育と日本の教育との違いはどんなところにありますか?
あべ:例えば、アメリカの高校では、数学のテストに計算機を持ち込んでいいってご存じでしたか?
香織:えっ! テストで計算機ですか?
あべ:はい。計算機で計算できるものは、機器に任せちゃうわけです。つまり、計算の速さや正確さをテストで求めてるわけではないんですね。「この問題を解くにあたって、どういう解き方を選択していくか」という思考プロセスを見るためのテストなんです。しかも、テストに時間制限もないので、早く終わった子は遊びに行っていいし、じっくりやりたい子はいつまでもやっていていい。自由ですよね。
香織:すごい…。日本では「計算が遅い=算数が苦手」というレッテルを貼られがちですよね。
あべ:本当は深い思考力を持っているのに、ただ計算が遅いだけで「自分は数学ができない」と思い込んでしまう子が日本にはたくさんいます。それって、とてももったいないことですよね。

苦手を克服するより、得意が突き抜けるように導く
あべ:それに、今までの日本の教育は「苦手をなくそう」とする特徴がありました。国語と算数はできるけど理科が苦手なら、「じゃあ理科を頑張ろうね」となる。でも、本人は理科が嫌いだからやる気が出ないし、理科にばかりウエイトを置くことで、得意な教科を伸ばす時間も削られてしまうから、勉強がつまらなくなってしまいます。
香織:確かに、塾とかでもそうなりますね。平均的に点数を取ることが求められるというか。
あべ:そこでうちの英語教室では逆の発想を取り入れています。例えば、ある親子が「英語のリスニングは得意なのですが、ライティングが苦手なんです」と相談に来られたんです。そこで私は、「では、まずはリスニングを伸ばしましょう」と、ライティングは一旦置いておいたんですよ。そうすると、リスニングで満点が取れるようになって、お子さんは自信がつきました。「自分は英語ができるんだ!」って楽しくなる。そうすると不思議なことに、「せっかくだからライティングもできるようになりたい」って、自分から言い出すんですよ。
香織:自信がつくと、苦手なことにも向き合えるようになるんですね。
あべ:そうなんです。得意なことを伸ばしてあげると、自信がつき、できることを広げようという意識が働いて、結果として全体が底上げされるんです。親御さんが「ここがダメだから直しなさい」と言うよりも、はるかに効果的で、何より家庭の中が平和になります(笑)

今日からできる「教えない教育」 観察が才能を開花させる
香織:得意なことを伸ばしていくために、ママやパパは日ごろ、どんなふうに子どもと接していくのがいいのでしょうか?
あべ:まずは「観察」を大事にしてみてください。例えば、お子さんがYouTubeばかり見ていると「また動画ばっかり見て! ちゃんと歯を磨いたの⁉」などと、行動をコントロールしようとしたりしませんか?
香織:しちゃいますね…!
あべ:そこで観察という行動を入れてみるんです。「何を見ているの?」「どうしてそれが好きなの?」と、子どもに問いかけながらでもいいので、子どもが行動する理由を探ってみてほしいんです。YouTubeを見ているならば、ゲーム実況を見ているのか、工作の動画を見ているのか、魚の動画を見ているのかで、その子の興味の方向性がわかりますから。
香織:なるほど。中身までは見ず、YouTubeを見ているということ自体にフォーカスしてしまうことは「あるある」ですね。
あべ:もし工作系のYouTubeが好きなら、そこからエンジニアリングやプログラミングに興味を持つかもしれませんよね。ゲームでもそう。「ゲーム=悪」と決めつけずに、その子の「好き」の種を見つけてあげるのが、親の役割なのかなと思ってるんです。

ママの笑顔が、子どもにとって一番の栄養
香織:よし、何はともあれ観察ですね! それなら今日からできそうです。ついつい、親としての責任感から「ちゃんとさせなきゃ」と必死になっていましたが、もっと子どもの「好き」を信じていいんですよね。
あべ:本当にそうです。ママが「こうしなきゃ」と眉間にシワを寄せているより、ママ自身がハッピーで、やりたいことをやって笑顔でいること。それが、子どもにとっては一番の安心材料であり、自立への近道なんです。
香織:その言葉に、すごく救われます。私たちの商品であるルイボスティーも、ママたちがホッと一息ついて、笑顔に戻っていただきたいという願いを込めて作っていますから、このお話を聴いて、ママ自身がもっともっとハッピーになれたらいいなと思いました。
あべ:ママがリラックスしていれば、子どももリラックスして本来の力を発揮できますからね。ぜひ、温かいお茶を飲みながら、お子さんの「好き」を観察してみてください。
香織:はい、今日は家に帰ったら、子どもたちの話を「教えず」にじっくり聞いてみようと思います。ゆっかさん、素敵なお話を本当にありがとうございました。
自分と子どもを信じて、もっと自由に子育てを楽しむ
「教えない」ということは、決して「放任」することではありません。
「教えない教育」は、子どもが本来持っている「育つ力」を信じて、先回りせずに見守るという、とても愛情深い選択なのだと気づかされました。
情報が溢れる現代、私たちはつい「正解」を外側に求めがちです。でも、目の前にいる我が子の笑顔や、夢中になっている姿の中にこそ、その子だけの「正解」が隠れているのかもしれません。
温かいルイボスティーで心をゆるめながら、今日から「観察する」を楽しんでみませんか?
ママの心に生まれる余裕が、親子の毎日をもっと豊かなものにしてくれるはずです。
■Q&A
Q1. 子どもが宿題をやりたがらず、つい「やりなさい」と怒ってしまいます。
A1.「やりなさい」と言われると、脳の仕組みとしてやる気が削がれてしまうことが多いです。まずは環境を整えることから始めてみましょう。また、親自身が楽しそうに何かを学んでいる姿を見せるのも効果的です。
Q2. 「褒めて伸ばす」のが良いと聞きますが、どう褒めればいいかわかりません。
A2.特別な成果が出た時だけでなく、プロセスや小さな変化を観察して言葉にしてみてください。「100点取ってすごいね」だけでなく、「毎日机に向かっていて頑張っていたね」や「その発想は面白いね!」など、お子様の個性を認めるような声かけが、自己肯定感を育みます。
Q3. 子育てと仕事の両立で忙しく、子どもの勉強を見る時間がありません。
A3.つきっきりで教える必要はありません。大切なのは時間の長さよりも、ママが笑顔で余裕を持っていること。短い時間でも、お子さんの話を否定せずに聞いてあげるだけで十分です。
【プロフィール】
あべゆかこ
一般社団法人ペアリド 英語ペアリーディング協会 代表理事。「教えない英語®」提唱者。15年間の会社員生活を経て、英語講師へ転身。その経験から、教えることが逆効果になることに気づき、子どもが自ら学ぶ力を引き出す「教えない教育」メソッドを確立。現在は、2050年までに12万人のスーパー国際人を育てることを目標に、全国で親向けの講座や認定講師の育成、小学生から大人向けの教えないオンラインレッスンに情熱を注いでいる。
伊東香織(いとう かおり)
株式会社TIGER 専務取締役。創業35年以上のルイボスティー専門メーカーにて、商品の企画開発・広報を担当。自身の不妊治療、4人の子育ての経験に基づき、「妊娠中も、子育て中も。ママの暮らしに寄り添う」をコンセプトに、女性の心と体に寄り添う製品づくりと情報発信を積極的に行う。







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