不妊や妊活の悩みを「誰にも相談できない」「病院に行くべきかわからない」と感じていませんか?
全国には、治療を始める前の迷いの段階でも利用できる、無料・匿名対応の公的相談窓口「不妊専門相談センター」があります。
医療行為を行わない中立の立場で、専門家があなたの不安や気持ちを整理する手助けをしてくれる場所です。

ネット検索の「終わりのない迷路」から抜け出そう
突然ですが、あなたのスマートフォンの検索履歴は「妊娠初期症状」「不妊 原因」「基礎体温 ガタガタ」…そんな言葉で埋め尽くされていませんか?
ネットで検索しては一喜一憂し、期待しては落ち込み、生理が来るたびにトイレで一人、泣いてしまう。
誰にも言えない悩みだからこそ、ネットの中に答えを求めてしまうんですよね。そのお気持ち、とてもよくわかります。
でも、検索すればするほど、不安の種が増えていくような気にもなったりしませんか?
ましてや家族や友人に相談したくても、「子どもはまだ?」という何気ない言葉に傷ついたり、「気にしすぎだよ」という励ましが逆にプレッシャーになったり。
一番わかってほしいパートナーとさえ、温度差を感じて喧嘩になってしまうこともあります。
「私が妊娠できないのは、あの時のあれが悪かったの?」なんて、ひとりで責任を感じて、自分を責める材料ばかり集めてしまっていたら、それはとっても悲しいことですよね。
実は、この「孤独感」こそが、不妊治療や妊活において一番大きなストレス要因になっていると言われているのをご存じですか?
今回は、そんな張り詰めた心をゆっくりとほぐし、専門家とつながれる「公的な相談場所」についてお伝えします。
なぜ「ひとりで悩む」と、心がすり減ってしまうのか?
「不妊で悩んでいる」と自覚すると、多くの人が、「まずは病院(クリニック)へ行ったほうがいいのかな?」と考える傾向にあるようです。
もちろん、医療的な介入が必要なケースは決して少なくありません。
しかし、病院だと診察時間は限られており、先生や看護師さんはいつも忙しそうなので、遠慮してしまいがちになりませんか?
「こんな些細なことを聞いたら迷惑かな?」
「治療方針に迷っているけど、先生の言う通りにするしかないのかな」
結局、聞きたいことの半分も聞けずに帰宅し、またネット検索のループに戻ってしまう…。これでは、体は治療できても、心はずっと置き去りのままですよね。
「感情の蓋」を開けられる場所が必要です
「治療が痛くて辛い」
「仕事との両立が限界に近い」
「高額な費用がかかって、将来が不安」
「正直、友人の妊娠を素直に喜べない自分が嫌い」
そうですよね、もう気持ちはぐちゃぐちゃで、ドロドロとした感情を自分でもどうしていいかわからなくなること、ありますよね。
こういうとき、吐き出す場所がないと、その感情は体の中で澱のように溜まり、やがて「私なんて……」という自己否定につながってしまいます。それだけはしないでほしいんです。
大切なのは、その感情をジャッジせずに聞いてくれる「第三者」の存在。
利害関係のない、そして専門知識を持った相手に話すことで、初めて「自分の本当の気持ち」に気づけることがあります。そんな「相手」とはいったい誰なんでしょうか?

全国にある「不妊専門相談センター」とは?
あなたの感情をジャッジせず聞いてくれる専門家は、国が関与する公的制度として設置されている「不妊専門相談センター」にいます。
この制度は現在、主にこども家庭庁の施策に基づき、全国の都道府県・指定都市・中核市などで運営されている公的な相談窓口です。
不妊専門相談センターの最大の特徴は、「不妊治療を強制する場所ではない」ということ。
「病院に行くべきか迷っている」
「治療を休みたいけれど、焦りがある」
「夫と意見が合わない」
といった、医療行為の手前にある悩みや迷いそのものを、まずはしっかりと受け止めてくれる場所なのです。
全国の不妊専門相談センター一覧は、こども家庭庁公式サイトの資料から確認できます。お住まいの地域別に、最寄りの相談先を探すことができますので、ぜひ一度サイトを見てみてくださいね。
対応するのは「プロフェッショナル」たち
「でも、ただの悩み相談なら、SNSで十分じゃない?」と思うかもしれませんね?
不妊専門相談センターがSNSと決定的に違うのは、そこにいるのが「不妊・生殖医療・心のケアのプロ」だという点です。
多くの場合、以下のような専門職が対応してくれます。
・不妊症看護認定看護師 ⇒高度な不妊治療の知識とケアの技術を持つ看護師
・生殖医療専門医 ⇒医学的な見地から、正確な現状や選択肢を提示できる医師
・臨床心理士・公認心理師 ⇒心のケア、カウンセリングの専門家
・助産師 ⇒女性の体とライフサイクルに寄り添うスペシャリスト
ネット上の「誰かの体験談」は、あくまでその人のケース。
でも、ここの専門家たちは、医学的根拠(エビデンス)と豊富な相談実績に基づき、「あなたの場合」はどうなのか、一緒に考えてくれます。
不確かな情報に振り回される「情報の迷子」から、あなたを救い出してくれる、まさに闇夜の灯台のような存在なのです。
具体的な利用メリットと、相談へのハードルを下げるポイント
「専門家への相談なんて、高いんじゃないの?」と不安になるかもしれません
が、多くの不妊専門相談センターでは、電話やメールでの相談を無料で行っています。(※1)。
また、相談形態も多様化しています。
【電話相談】
顔が見えないからこそ、本音で話しやすいという声が多数。匿名でも相談できるケースも少なくありません。
【メール相談】
話すのが苦手でも、文章なら整理できるという方向け。24時間いつでも送信できます(返信には一定の時間がかかる場合があります)。
【面接相談】
じっくりと対面(またはオンライン)で、カウンセリングを受けたい場合におすすめ。「名前を名乗りたくない」「近所の人に知られたくない」という不安にも配慮されています。プライバシーは守られますし、相談したことで特定の病院への通院を強要されることもありません。
(※1)一部、面接相談などが有料の場合や予約制の場合もありますので、必ず事前に各相談先に確認してください。

男性(パートナー)からの相談も増えています
不妊の悩みは女性だけのものではありません。
「妻が辛そうだけど、どう声をかけたらいいかわからない」
「自分自身の検査について不安がある」
という男性からの相談も、不妊専門相談センターでは受け付けてくれます。
実は夫婦ふたりで相談に行き、第三者が間に入り、お互いの気持ちのすれ違いを修復するきっかけになったというケースも少なくなかったりするんですよ。
家の中では感情的になって言えなかったことも、専門家の前では冷静に伝え合えると、お互いに気持ちが楽になりそうですね。
相談することは「弱さ」ではなく「戦略」
人にもよりますが、妊活や不妊治療は、短期間で終わるとは限らない「人生のプロジェクト」だと言われています。
だからこそ、医療とは別に心の管理を任せられる専門家を持つことは、心を管理するうえでとても大切なことで、合理的な選択と言えます。
世界的に活躍するようなアスリートで、メンタルトレーナーを付けている人がいますが、それは彼らのメンタルが弱いからではなく、最高のパフォーマンスを出すために「心の管理」をしているのです。
今日話したことが、明日の「私」を軽くする
想像してみてください。誰かに話を聞いてもらって、「それは辛かったですね」「その選択は間違っていませんよ」と言ってもらえた時の安心感を。
相談センターを利用することで、以下のような変化が期待できます。
・ネット情報の嘘・ホントが分かり、無駄な検索時間が減る。
・「次に何をすべきか」が明確になり、漠然とした不安が消える。
・自分の感情を肯定でき、パートナーや周囲に対して少し優しくなれる。
・心の霧が晴れると、不思議と体に入っていた余計な力も抜けていきます。
「不妊」というとネガティブに聞こえますが、これからは専門家の正しい知識をもとに「未妊」という言葉をぜひ使ってみませんか?
「未妊」は、「これから妊娠する準備をしている」というポジティブでリラックスできる言い換え。
そのリラックスした状態こそが、あなたにとっても、これから迎えるかもしれない新しい命にとっても、一番心地よい環境になるはずですよ。
※本記事は2026年1月時点の情報に基づいて作成しています。また、本記事の内容は国や自治体の公表情報をもとに作成していますが、制度内容は変更される場合があります。最新情報は、必ずお住まいの自治体またはこども家庭庁公式サイトでご確認ください。

Q&A
Q1.まだ不妊かどうかわからないのですが、相談してもいいですか?
もちろんです。「なかなか授からないな」「病院に行くべきかな」と迷っている段階での相談も大歓迎です。基礎体温の測り方や、妊娠の仕組みについての基本的な質問からでも大丈夫。病院の選び方のアドバイスも受けられますので、治療の第一歩として利用される方も多いですよ。
Q2.相談センターに行くと、特定の病院を紹介されたり勧誘されたりしませんか?
ご安心ください。公的な相談センターは中立な立場ですので、特定の医療機関への誘導や勧誘は行いません。あくまで、あなたの希望や状況に合った情報提供(地域の医療機関リストの提示など)を行い、最終的な決定はあなた自身ができるようサポートしてくれます。
Q3.夫が協力的でないのですが、私一人で相談しても意味がありますか?
大きな意味があります。まずは奥様自身の不安やストレスを軽減することが大切です。また、カウンセラーと一緒に「どうすれば旦那様に気持ちが伝わるか」を作戦会議することもできます。男性心理を踏まえたアドバイスをもらうことで、夫婦のコミュニケーションが変わるきっかけになることもあります。










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